2020年6月19日 生配信ライブ「甘い暴力」 感想など
大阪MUSEプレゼンツ「MUSE STATION vol.1 【甘い暴力】」見ました。
— 甘い暴力 (@sweetviolencejp) 2020年6月19日
公式のワンマンセトリはいつも順番がわからずじまいなのですが、一応見ながらメモしていたのでこちら
1.愛の地獄
2.嫌いになってください
3.ハジメマシテ
4.共犯者
5.暴動
6.君が幸せでいてくれることが、私の幸せに繋がるわけじゃない。
-突然の「スウィートヴァイオレンスBAR」OPEN-
7.俺の方が、君を幸せにできるのに!(茶番ミュージカル)
8.ちゅーしたい
9.暴れ少女
♡恋の大運動会開幕♡ 実況解説:咲 走者:文・義・啓
①芋虫MUSE往復競争
②ぐるぐるバット10周からのMUSE1往復
③早食いパン競争
-強制終了-
ライブ自体は45分~50分くらい、曲も10曲未満と小ボリュームだったけど、リアルタイム視聴者がMAX505人(だったと思う)と有料配信にしては規模が凄いなと思いました。大阪MUSEのキャパ以上に人が多く集まったので本当にすごい…!
甘い暴力自体が「ライブ配信をしなさそうなバンド」だと思っていたので、「おっ!やるんやったらレアすぎる!アーカイブ無いしリアタイ間に合いそうだったら見よ〜」くらいの軽ノリで開演10分前にチケット買ってめっちゃ久しぶりに見ました。1年以上ぶりだと思います。
ライブ見たら相変わらず面白くて関西が生んだトンチキバンドだったので普通にまたライブに足を運びたくなりました。
ゆるりとしたライブの感想
久しぶりに見た感想としては、まず義さんがベースを弾いている衝撃…!サポートのJITANさんがいないからそうなんだけど、JITANさんがいない日は前々から義さんがたまーにベースで弾いてるとは知ってて、ライブでベース弾いてる姿を見るのは初(記憶違いじゃなければ)だったので新鮮だった。無観客でもフロアの方見てニコニコしたり手振ったりいつも通り振る舞う義さんがとても良かった。
配信では必ずカメラアングル問題が出てくるけど、いつも見えづらい啓ちゃんが沢山見えて嬉しかった~!ただ、センターの咲さんはめっちゃ映るものとして、次は動きが派手な義さんをカメラが追う形になり、文さんが映る頻度が少なかった気がするのは残念でした。文さん、ふと見ると爽やかイケメンからのもの凄い形相でギター弾いてたりでギャップが素晴らしいので…。まぁこればっかりはカメラはあくまでカメラと理解しないといけないし、でもカメラが有り難い面もやっぱりあるし、配信は一長一短っていうことは見る度に感じます。(あと時々スタッフさんの頭が映っててめっちゃ笑ってしまった)
ただ、共犯者の「しーっ」とか「ちゅーしたい」のキス顔啓ちゃんはそうそう近くで見れそうもない場面だったので、バッチリ決まっていて可愛くてちゃんと頭がハッピーになりました。突発ミュージカルの啓子ちゃんも可愛くて満足……!啓ちゃんの話ばっかりになった。仕方ない、可愛いので……
ライブ中のトンチキミュージカルはMVのステージ上再現でした。
咲さんは相変わらず気が狂ってて最高だったけど、なにより最高だったのがステージング。ライブ中見ているとフリがある曲は先行してステージでフリ指南を行ってくれるのですが、無観客なのでそれもなく好きに曲に合わせて歌って動いてくれている感じが私は好きでした。
ただ通常のライブだとバンギャを盗み見てフリを覚える曲の範囲が多すぎて無理あるので、やっぱり咲さんのフリ指南は無いとしんどいし配信だから見れた面かなと思います。でも咲さんのファンの人は今回の配信ライブの咲さんの方が好きだったんじゃないかなぁと思う。
ライブ自体はなんかいきなり寸劇が始まったり相変わらずだし、最後に限っては視聴者が一体何を見させられているかわからないまま終わり、もし初見の人とか居たらどういう感想になるのかめっちゃ気になるところ。
甘い暴力のすごいところ
ハンドメイドプロモーションスタイル
甘暴は前々から活動が限定的かつ閉鎖的で、たとえば『CDは基本的にライブ会場限定販売』(※現在はライブもないためネット通販で買えるようになった)、インストアイベントも無し、V系でも個人SNSが主流になってきた今でのあえての『バンドの公式アカウントのみの運営』、MVも個人撮影、特に雑誌媒体にも登場しない。フライヤーもA4のコピー用紙。物販スタッフがいないのでメンバーがライブ後汗だくになりながら仮面かぶって物販スタッフをやっている。
と、めっちゃ手作りなバンドにも関わらず、今や東京だと恵比寿リキッドルーム、関西だと大阪BIGCATや味園ユニバースと始動から5年内にも関わらずコツコツと活動を続けて都市部だと約1000人規模集められるバンドになりました。プロモーション無しなのが本当に凄すぎる。
また、これだけプロモーションがないにも関わらず「曲が面白すぎてTikTokでバズってしまう」というのところもめちゃくちゃ面白いです。私の持論ですが、「関係者受けがいいバンドは売れない」の次に「SNSでバズれるバンドは売れる」があります。運も実力のうち!
ヴィジュアル系文化、バンギャル文化への警鐘
本当にこれはここ特有だな、と思うのが「チケット保険かけるの原則禁止」。
前方で見るためにチケットを保険かけて何枚も買ったり、早番を高額または抱き合わせで売買することはバンド側が黙認している(というか取り締まるための途方もない労力の事を考えると皆しない)ことが殆どですが甘い暴力は不正絶対殺すマンです。『チケットはちゃんと1人1枚!発券した番号で入ってください!それが普通!』と、本当に長年バンギャやってても「それはそうでした」でしかない。
対バンではやらないですが、ワンマンライブではきっちり本人確認されます。ここまで厳しいバンドはここしかないと思う。
バンド側は「前とか後ろとか場所関係なく、ちゃんとみんなを楽しませるからライブをただ純粋に見に来て楽しんでほしい」という旨ですが、バンギャにとっては「どうしても行きたいライブ」は「どうしても行きたいライブ」でしかなく、キャパの小さい箱だと落選=行けないという恐怖もあり保険掛けは根絶しないとは個人的に思うものの、この徹底ぶりは潔くて好感持てます。
ただここは遠くで見てるから「良い」と好意的に見れるというのもあって、実際本命だとどう思うかは全く別問題ですが、こちらのスタンスが「行けたら行くわ~」的なノリだとゆるく通う分には合ってるバンドなのかなと思います。(というかまさに私がそうだった)
メンヘラに隠された面白楽曲たち
ここまでは「バンドの在り方」のいいところですが、「曲の面白さ」も甘い暴力の良いところだと思います。
ヴィジュアル系はかなり大まかに言えば昔から世間への鬱憤や人の裏を説いた「暗い曲」が多かったですが、R指定の台頭により「メンヘラ」(メンヘラという言葉は広義になっていますが、私の解釈では=日常的に自己肯定感や自尊心が薄いがゆえに何かに依存せざるを得ない人たちを指します)を狙いうちにした曲が増えた印象で、甘い暴力もその大まかにそのジャンルだと解釈しています。それにラップも交えたミクスチャーロックの要素を踏まえ昇華したバンドが甘い暴力。私は曲やバンドを好きになる際は歌詞も重要視しますが、歌詞へ共感するより「曲がかっこいい」「ライブが楽しい」という人だったので、甘暴が好きな人はそういう人も多い気がします。
「だいじょばない」「天使でいたかった」「結局何が言いたいの?」みたいなネガティブな曲もありながら、「らぶみ」「性欲うさぎ」「うるせえ黙れ」などライブではフリがあって面白く、曲も歌詞も耳から離れなくない曲を発信してるギャップがまた良いところ。
また、前述にあるライブ会場でしか音源を売っていない等、ステータスをライブに振り切ったバンドです。音源の発売が先行しまず曲を提供してファンに解釈させるバンドではなく、ライブで生音を聴きCDを買い曲を吟味するスタンスを多くのファンが取る形になります。
ライブで聴く曲はCDで聴く分には全く違うなと思うことも多く、それもまたライブで聴き家で再度CDを聴ける「2度美味しい」面も。
ライブではライブバージョンのアレンジが聴け、CDはCDでしか聴けない間や表現の仕方があるのでライブで聴いていいなー!と思って改めてCDを取り込んで聴くと「こんな曲だったの…!」ということも多々あります。
おわりに
たぶん親の顔よりライブ後のThank you everyone from OSAKA MUSEの文字を見た。
わりと配信ライブが公的に終わった形でも何かしらがあると思いがちなのでこの画面を22時過ぎたくらいまで見ていた。
配信ライブ、見るのは良いけど終わるタイミング意味不明の時が多くてずっと待っちゃうことがある。特に余韻もないまま急に画面が切り替わって『ご視聴ありがとうございました!』的なのが映された瞬間虚無になります。
しっかりNHKみたいに「THE 終わり」みたいなロゴ出してほしい…!!!!(強い主張)
本当はライブに行けたら万々歳ですし、7月から徐々に再開しそうなところ出てきそうですが実際再開されないと演者も客もわからないことの方が多いし、もう1ヶ月は配信ライブで在宅おたく生活することになりそう。
まぁ今回は久しぶりの甘い暴力だったということで、自分を殺すということ以降の音源一切持ってなくて、「そりゃライブ見てもわからん曲多いわ!ガハハ!」となったので、通販で売ってるうちに買っとこうと思います。でも今回聞いた中だと「愛の地獄」が一番好きだったので、早く音源化してほしい~!というか定期的に配信やってくれたら有料でも私は見たいのでやってほしいな~と思いました。
というわけで、